フォーラーネグレリア | 脳を食い荒らし脳死の原因となる殺人アメーバ
フォーラーネグレリア(学名: Naegleria fowleri)は25–35℃ほどの温水環境を好むアメーバであり、鞭毛を持つ特有の形態をしている。遭遇することは極めて希少な種ではあるが、極めて劇的かつ致死性が高い原発性アメーバ性髄膜脳炎(Primary Amoebic Meningoencephalitis, PAM)を引き起こす。感染による致死率は97%に上り、殺人アメーバや脳食いアメーバとも呼ばれる。汚染された水が誤って鼻に入ることで感染し、鼻に入ったアメーバが鼻孔粘膜を通って神経繊維を辿って脳に達する。中枢神経系が貪食されることで、5~10日程度の極めて短期間に急な発熱から昏睡を経て死に至る。予後は深刻であり、生存者はごく少数であるため、治療法の確立が喫緊の課題である。